〜葡萄色の夜明け〜
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「罪と罰」〜物語の主人公に留まらないで〜
私は本を読みません。

しかし、子供の頃は沢山の文学に触れていたようです…。(中学生頃まで?)

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幼い私に父は「文学全集」なる分厚い本や、子供向けの

アンデルセン、グリム童話、とにかく「次はこの本を注文しようか?」と、

私に、本のカタログをいつも開いていた記憶があります。


梯子が天井までかかった本屋さんに行く時は、いつも心がはずんでいました。

130627LL03.jpg

(ネットからお借りしました)


哲学書が好きだった父。

「パパの本は難しい。もっと簡単な本が読みたい。」

そんなうすぼんやりな記憶があります。


その「難しい」が、その後の私の「本との距離」を持たせたのかも知れません。

IMG_12802221212.jpg


そんな父のDNAを引き継いだのか

本好きで「将来は編集者になりたい」と夢を膨らませている娘。


「壁一面に本で埋め尽くされた部屋に住みたい。」


娘のセリフです。


昔の我が家には「書庫」がありました。


今の娘からすれば「憧れのお家」だったかも知れません。


3階は、兄がギターを練習する為の「防音室」があり、家族それぞれのライフスタイルに合わせた家でした。

130627LL05.jpg

(ネットからお借りしました)


小さな私は「防音室の窓を全開にして」ピアノを弾きながら歌を歌う子。

(子供の頃から規制を無視する性質だったようです。。)


となりのおばちゃん。

「Akiraちゃん♪今日も上手に歌ってるね♪ピアノももっと聞かせてね♡」

ひじょーに優しいおばちゃんです。(笑)


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私が小学校高学年の頃、ロンドンに留学するようになった兄。

今では考えられないくらいの、莫大な毎月の留学費用。

飛行機代なんて1度往復しただけで100万仕事。。


学校の教師をしていた父は、退職して退職金を兄の留学に費やす決心をしました。

やがてはその「留学費」が兄が入院する病院への「長年の治療費」と変わり

ついに、家も手放すことになりました。


130627LL04.jpg

(ネットからお借りしました)


その後、移り住んだマンションの家賃の支払いも難しくなり

小さな団地に移り住みました。


父はその暮らしを「こんなみじめな暮らし。同胞には知らせたくない。」


私からすれば「らしからぬ発言」をこぼす時もありました。



しかし、いつも一番に迷い無く何を選択するかと言う父の思いが叶えられたのか

おかげで、兄の病気には、少しの光がさしました。

130627LL02.jpg

(ネットからお借りしました)


兄が言っていました。



「僕は罪を犯したの?」



「僕は罰を受けているのだろうか?」



「僕自身がギターなだけなのに」




やがて病状が進むと、それさえも口にしなくなりましたが。


img_london1212.jpg


「罪と罰」


「罪」とはなんだろう?


「罰」とはなんだろう?


何度も何度も考えた時期がありました。



5年程前でしょうか?


もう何十年も経過した頃、イギリスのBBC放送から


「お兄さんのドキュメント映画を制作したい」と連絡がありました。


結局 話はなくなりましたが…。



ギタリストとしての兄の生涯」


一体どんな風に表現するつもりだったのでしょうか。

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自身の中の「罪」を犯したくなくて「罪」を犯してしまう。


コンクールで、日本人初優勝をした兄。


翌日レコード会社など多数の契約。山になって突如現れた光景。


兄が言う「罪」とは「自分で自分の指を切り落とした事」


全身全霊の演奏をした正直くたくたの翌日でした。


マネジメント側から「とにかく弾いてくれればいいからみんなの前で演奏を」と。


「弾くならば昨日以上の演奏が出来なければ意味が無い」と思っている兄。


「申し訳ないが、明日は弾けない。」と。


それが兄の中に刻まれて来た「表現する事の当たり前」でした。


「とにかく弾いてくれればいい」と言う言葉。


簡単に言えば「弾けないようにする為に指を切断した」のです。


子供の頃からずっと共にしてきたギターとの決別。


いいえ、誓いだったのかもしれません。


兄は現実から逃げ、ギターからは逃れられなかった。


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色んな局面で人は、自分の「罪」を見つめる事があるのでしょう。

心から優しかった兄。

不平等を嫌い、平等を唱えた兄。

どこまでも純粋な心をくもらせる事の出来ない兄。

弱さとは?強さとは?


私の中にも激しく流れる、兄と似たこの感情を私は同じくしてはいけない。


9歳下の私でも、兄の母にきっとなれる。



懐かしい書庫の匂いが 甘く 優しく 哀しいです。


物語はどこまでも美しいけれど


「主人公に留まらないで」


「今日に、明日に歩き出して」


そう思う私がいます。

IMG_123312.jpg



ドフトエフスキー「罪と罰」


非常に面白く読めたのは、物語だからです。


物語だからです。



現実にはそこに家族が居て、大切な人が居て、その人たちの人生が在るのです。


兄は今、静かにひっそりと 足りない指でギターを弾いています。





※今日ネットでお借りした素敵な本屋さんのPHOTO「ポルトガル」の「レロ書店」です♪

いつか娘と一緒に行きたい場所です。




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この記事へのコメント
882. かのん   URL  2014/05/20 11:09 [ 編集 ]
ありがとう。

どこをみるかで歩く道までちがう

私も本が大好きで物語もすき。

だけど物語ではない明日を生きたいと思うよ。
883. ☆かのんちゃんへ   URL  2014/05/20 11:24 [ 編集 ]
「ありがとう。」

そう言ってくれるあなたとだから出逢った。

心からそう思います♡

将来、娘が居る書庫に一緒に本を読みにきてね♪

私はお菓子を運ぶから♪
884. どんぐり博士   URL  2014/05/20 12:30 [ 編集 ]
”表裏一体”ゆずの歌を・・・ふと・・思い出した

私も、本は読まなかった(今になって、ちょっと後悔も)

今になって、気になった本は買うようになった(全部はよんでないけど)

机の横に山積みに・・・・

なんか、落ち着くんよね~

885. ST   URL  2014/05/20 13:34 [ 編集 ]
ありがとう。僕はいつまでもあなたのお兄さんのファンです。
886. ☆あんちゃんへ   URL  2014/05/20 17:42 [ 編集 ]
あんちゃんもそうなんだ。。
やっぱり双子やなぁ。

私は本の匂いはずっと好きやよ♡
包装紙の匂いも好き♡
あんちゃんもすき♪
887. ☆STさんへ   URL  2014/05/20 17:49 [ 編集 ]
「初めまして。」で宜しいでしょうか?
イニシャルを思い浮かべてみましたが
どなたも思い浮かびませんでした。

兄のギターの音色は、パソコンもまだ無い時代の事。
ご存知の方のご年齢だけ勝手に想像させていただきます。

言葉をいただき「ありがとうございました。」
888. 龍の風   URL  2014/05/20 18:55 [ 編集 ]
自分らしく、人間らしく生きようとすると
苦しい時がありますね。
自分を傷つけずにはいられない苦しい時…
痛みを感じて苦しみの罰を受ける…

私の中にもそんな時があったけど
ウーを飼ってから、その様な気持ちが薄れました。

兄上の苦しみには、どう言葉をかけたら良いのか
解りませんが、その締め付けられるよな胸の内が
伝わって来る様で、いつも切なく悲しい思いになります。
Akiraさんの、その純粋で熱い思いも同じDNAが流れているんだね…。
兄上が今は静かに暮らしているとの事。
陰ながら応援と言うより、見守ってあげたいです。

言葉足らずだったら、ご免なさい。
889. ☆龍の風さんへ   URL  2014/05/20 19:54 [ 編集 ]
いつも言葉に出来ない思いいっぱいに
言葉にしてくれてありがとうございます♡

兄は今とても落ち着いています。
やっと見えて来た光の中で
大好きなギターを弾き、父の事も見送っていました。

私は兄と、血液型も星座も同じ。
感性は兄妹の中で一番似ているかもしれません。
けれど、生き方は全く違います。

そう生きるようにと何かの力が働いたのかも知れませんね。

言葉足らずなんて、龍の風さんからの言葉に
足りなさを感じる事なんて無いです。

心を沢山、分けて下さってありがとう♡
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ようこそAkiraのときへ

















このブログの主題歌を作ってみました。
「La Douceur」
〜葡萄色の夜明けの唄〜



作詞・作曲・編曲・唄:Akira





「果てない感動」

「ギタリストの兄の旋律」に纏われ過ごした子供時代。
自身の分身を産み出すように
押し寄せる波のように
「激しいまでに美しい音色」が
いつも私の耳元で鳴り響いていた。
その音色はまさに「天に届くもの」

IMG_7929のブログ

作詞をする。
作曲をする。
アレンジで風に色をつける。
風をまとい、歌い響かせ昇天する。

亡き父が愛したカメラの世界。
感じる。
動く。
焦点を定める。 息を止め、シャッターに触れる指先。

ブログヘッドデザイン原本 のコピー

最後の時計が止まる瞬間まで、愛おしさに焦点を合わせ続けた父。
大切なものを守る為には、他を捨て去る事に何のためらいも無かった父。

「一瞬たりともぶれない焦点世界」

私が愛してきた音楽と同じ。
父亡き後、その世界へと歩き出す。

写真を撮るのは、歌を唄うのは

「あなたがいるから」
「あなたがいたから」

「この愛がすべて」そう響かせて。

IMG_0342 のコピーブログ

「Akira」(アキラ)歌と共に

14725477_akira.jpg
シンガーソングライター、
アレンジャー、
ヴォイストレーナーとして活動中


2016.1.1
ユニット「風美」fu-bi
HP開設致しました。
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